

五十肩の主な症状は、肩関節の痛みと動きの制限です。特に夜間の痛みが強く、眠れないほどの激痛を感じる方も少なくありません。症状は通常、「疼痛期」「拘縮期」「回復期」の3段階で進行します。原因としては、加齢による関節包の炎症や、腱板の損傷が挙げられます。また、デスクワークによる姿勢の悪さや運動不足も発症リスクを高めます。関節可動域の低下は、日常生活での洗髪や着替えなど、上方への手の動きに著しい制限をもたらします。
【具体例】
Aさん(55歳・女性)の場合、右肩の痛みで洗濯物を干すことができなくなり、夜間の痛みで睡眠不足に悩まされていました。
2. 整体院での五十肩の治療方法と効果
整体院での治療は、痛みの緩和と可動域の改善を目的とした手技療法が中心となります。特に、肩関節周囲の筋肉や靭帯へのアプローチにより、こわばりを緩和し、血行を促進します。ストレッチや関節モビライゼーションなどの技術を組み合わせることで、段階的に可動域を広げていきます。また、肩甲骨周りの調整や、猫背などの姿勢改善も重要な治療要素となります。定期的な治療により、3~6ヶ月程度で症状の改善が期待できます。
【具体例】
Bさん(62歳・男性)は、週2回の整体治療を3ヶ月継続することで、腕が上がらなかった状態から、肩の高さまで挙上できるようになりました。
3. 自宅でできる五十肩のケア方法と予防法
五十肩のセルフケアは、症状の改善と予防に重要な役割を果たします。まず、ストレッチは痛みのない範囲で行うことが大切です。腕を前後に振る振り子運動や、壁を使って腕をゆっくり上げ下げする壁這い運動が効果的です。また、温熱療法も有効で、入浴時やホットパックで患部を温めることで、血行が促進され、こわばりが和らぎます。運動と併せて、日常生活での姿勢にも注意が必要です。デスクワークが多い方は、肩を常に内側に丸めた姿勢になりがちですが、これは五十肩のリスクを高めます。定期的に肩を後ろに開く動作を意識し、肩周りの筋肉をリラックスさせることが重要です。
具体例:
・朝晩各5分の振り子運動(腕を前後に20回、左右に20回)
・入浴後の壁這い運動(3セット×10回)
・デスクワーク時の姿勢チェックタイマーを1時間ごとにセット
五十肩の治療には、専門家による適切な診断とケアが重要ですが、自己管理も同様に大切な要素です。日常的なケアを継続することで、症状の進行を防ぎ、早期回復につながります。また、予防的な観点からも、定期的なストレッチや運動習慣の確立が推奨されます。特に40代以降の方は、意識的に肩周りのケアを行うことで、五十肩の発症リスクを低減できます。自宅でのケアと専門家による治療を組み合わせることで、より効果的な改善が期待できます。また、生活習慣の改善、特に睡眠時の姿勢や仕事中の休憩取得なども、予防において重要な要素となります。これらの取り組みを総合的に実施することで、健康的な肩の状態を維持することができます。